相続・遺言についての基礎知識

相続とは何なのか?

 相続とは、被相続人(亡くなられた方)の権利義務が、相続人に承継されることをいいます。
詳しい相続人の範囲は以下で説明しますが、相続は被相続人の死亡によって開始し、それに伴い様々な手続が発生します。

相続があったときにやること

  1. 相続人の確定
  2. 相続財産調査
  3. 遺言書の有無の確認
  4. 遺言書検認手続
  5. 準確定申告
  6. 遺産分割協議
  7. 相続財産の名義変更手続
  8. 相続税の申告

 言うまでもなく、これらすべての手続きを自分でやろうとすると大変な時間と手間がかかります。
 さらに、ご家族をなくしたばかりの辛い時期にやらなければならないのです。

誰が相続人となるのか

 テレビや小説の中では、様々な問題が起こる相続ですが、その原因の多くは「誰が」「どのくらい」遺産を相続するのか、ですよね。
 実は、相続人の範囲は民法によって定められています。民法は、被相続人の子、直系尊属、兄弟姉妹および配偶者を法定相続人と定めています。
 しかし、相続人となっている者の中でも、そのすべてが相続をするわけではありません。これらの者の中で相続人となる順位が決まっているのです。

具体的には

 配偶者が生きている場合、配偶者は常に相続人となります注意しなければいけないのは、事実婚状態では相続人とはならないということです。あくまでも、婚姻関係がある者でなければなりません。
被相続人に配偶者と子がいる場合、その両方が相続人となります。配偶者がなく子がいる場合は子のみが相続人です。
 また、相続があった時点で子がなくなっている場合、被相続人の孫がいる場合、孫が相続人となります。このような相続を代襲相続といい、孫がなくなっている場合にはひ孫が相続することとなります。
 では、子や孫がいない場合はどうなるのでしょうか?この場合には、直系尊属が相続人となります。被相続人に配偶者と親がいて子がいない場合、配偶者と親が相続人となります。被相続人に配偶者と子がおらず親のみがいる場合は、親のみが相続人になります。すでに被相続人の親がなくなっている場合、その親である祖父母が相続人となります。
 被相続人に子も直系尊属もいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります。被相続人に配偶者と兄弟姉妹がいる場合には、その両方が相続人です。配偶者、子、直系尊属がおらず、兄弟姉妹のみがいる場合、兄弟姉妹のみが相続人です。

相続分はどうなる?

文章で説明するとややこしいですよね。
ここでは表を使って、それぞれの相続人がどのくらいの相続分を持っているのかをまとめてみます。

相続人相続分
配偶者のみ全て
配偶者と子配偶者2分の1、子2分の1
子のみ全て
配偶者と直系尊属配偶者3分の2、直系尊属3分の1
直系尊属のみ全て
配偶者と兄弟姉妹配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
兄弟姉妹のみ全て

遺産分割とは?

遺産分割とは、被相続人の遺言書がないときに、相続人が相続財産を分けて承継することです。
原則として、相続人とその相続分は表の通りなのですが、相続人間で話がまとまらない場合もあります。その場合には、家庭裁判所が分割方法を決めてくれるのです。

遺産分割の流れ

 まず、相続人間でどの相続財産を誰がどのくらい取得するかについての協議をします。この協議を「遺産分割協議」といいます。実は、遺産分割協議で相続人全員の同意があれば、誰がどの財産を相続するかや、どのような割合で相続するかということを自由に決められるのです。そのため、相続人間で合意ができれば、遺産分割協議で決定した内容の遺産分割協議書を作成し、その通りに遺産分割します。 

遺言に関すること

遺言でできること

遺言とは、被相続人の最終の意思表示のことです。しかし、死の直前にした意思表示である必要はありません。
遺言は、被相続人となる遺言者が遺産の承継等について自分の意思を反映させるために行うものです。自分が亡くなった後の相続財産の分け方について、自らの意思を反映させたいと希望する場合、遺言を作成しておくのが最も有効な方法です。

遺言として法的な効力がある事項には、「相続に関すること」、「財産の処分に関すること」、「身分に関すること」があります。
「相続に関すること」には、「法定相続分と異なる割合で相続分を指定すること」等が挙げられます。
「財産の処分に関すること」には、「財産の遺贈」等があります。
「身分に関すること」には、「認知」等があります。

遺言の種類

一般的な場合に作成される遺言としては、大きく分けて、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」とがあります。どちらにもメリットとデメリットがありますが、行政書士はそのいずれを作成する場合であっても、お手伝いをすることができます。
自筆証書遺言作成の場合には、所定の方式が具備されているかのチェックのほか、後々トラブルを生じる可能性の少ない遺言内容のご提案などを行い、遺言者に安心して遺言を作成していただけるよう、バックアップいたします。
公正証書遺言作成の場合には、遺言内容の起案から公証人との連絡・打合せ、公正証書作成に必要な戸籍等の書類の収集、証人の手配など、遺言者の遺言作成を全面的にサポートさせていただきます。


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